みんなピアノ習っている人ってピアノレッスンで何してるの?
ふと、もし自分がまったくピアノを習っていなかったとしたら、
一体何を(具体的にどんな話をして)レッスンしてるのか?疑問に思うだろうな。
と
ふと思いました。笑
小学生〜中学生のお母さんお父さん以上の年齢の世代になると、
「ピアノ習っていたけど、先生と喧嘩してやめちゃいました」
「途中で心折れてやめてしまった」
「昔バッハをレッスンで習っていたけれど、なんだかつまらなくてキライだった」(笑;)
とか、
教えている側としてはなんとも切ないお話ばかりをよく耳にします・・・。
まぁ、ちょっと前の日本のよくある?ピアノレッスンは、「正しい」ということがとても大事に扱われていたようにも思います。
楽譜というレシピに忠実にそって作り上げていくものなので、
それはそれで必要なことです。
でもクラシックが本当は奥が深くて美しく心が打たれるのは、、
それだけではないのですよね。
自分も小さい頃からいろいろな先生に教わってきましたが、
知らないうちに、話が進められて、導かれて、弾いていたら、レッスン時間に成っていた。
そして、何か演奏が変わっていっていた。
ということが、受講する側にいる時はほとんどだったと思います。
そこで、教えている側は、
導くところで
どのような視点から様々なアドバイスを伝えているのか、
言語化してみます。
普段レッスンで
こうだと思う、とか
こうした方がいいのでは?
私だったらこうするなぁ、というアドバイスは
ときに短いコトバで、単純に聞こえるときもあるかもしれませんが、
(実際にあるマスタークラスで、
フランス人の高名な先生がレッスンで何かを話していて、
真剣に見えず笑、
陽気で、考えていないようにみえて、
でも実際には、
生徒がみるみるうちに変化を遂げていたので、
不思議だったんですよね。
とても巧妙に考えられていたのでしょう)
真剣にみえないこともあるかもしれませんが笑、
やみくもに言っているわけではないんですよ。
実に山ほどの角度から見て、
その方にはどう言ったら伝わるだろうか、
ということを選び出しています。
私の考えていることとしては・・・こんな感じです。
- 曲を作った人(作曲家)の話 - どんな人か、その人、曲、学習のテキストにはどんな背景やねらいがあるか
- 曲が作られた時代の背景、ストーリー
- 外国の曲が多いので、実際身近に感じられるような外国の文化の話
- 曲に込められた感情の話
- 楽譜や読譜、楽曲分析の話
- 弾きにくいところの練習方法
- 弾ける人のからだの使い方
- 音の聴き方、響かせ方
- リズムのタイミング、感じかた
- 「雰囲気」とか「空気感」の話(文章じゃつたえられないところ)
- 鍵盤のこの部分をこんなふうに…という実際の演奏にいかせる話
- 音楽理論の話(音程、調性、和音の種類、リズム、形式)
- 理論を演奏に生かす方法
- ほかの楽器の話、アンサンブルの話
- 演奏家の演奏の話(正直な自分自身の演奏経験からつたえられること)
- 毎回のレッスン計画
- 本番までのもっていきかた
- 数年先も続けられるようなバランス
- レッスンの姿勢(マインド)
- 質問力や思考力とかコミュニケーション的なこと
- レッスン時間内にどこを、どうしたら、どれだけ目の生徒の記憶に残るか
- 生徒が何を求めているのかの考慮
- 外国と日本での教育の違い、良いところ、悪いところも考慮して
- 生徒の親との関係、生徒がどんな風にいつもコミュニケーションしてるのかの考慮
- 実際の経験から、心から楽しく音楽をするアイディアとか
- ピアノの学習もこれからの人生での勉強へどう活かせるか
思い出して書き出してみると
これだけあるので
個人に合わせて様々なことを考慮して
30分や60分で音楽でできること、
その生徒にとってベストなことを
瞬時に選んで、コミュニケーションしながらのレッスンで、
かなり色々と詰まっています。
なので内容は、
・生徒がどれだけ学習できるか
・受け入れられる土台があるか(話が聞けてるか)
・家での学習環境をどれだけ整えられるか
・何がこの生徒にとっての走り続けられるゴールか
・生徒のその時の素朴なギモン(意外と面白い視点で大事なことだったり)
によっても
変わってきます。
それによって進度も変わります。
(保護者の方がこの曲がレッスンでやってないじゃないとか思われたとしても)
子供は保護者の考え方だったり保護者が環境を整えてあげることは本当に大事ですね。
なかなか普段のレッスンでは伝えきれないので、
読んでくださって理解を深めてもらえると嬉しいです。
特に、子供だけのレッスンで、保護者はレッスンを見ていないとき。
保護者もレッスンでどんな内容がレッスンで、子供がどんな要素によって
影響されていくのか。
興味を持つことで、
レッスンにも価値を感じて、
より有意義なこと、
と思えるのではないでしょうか。
今日はレッスンって何してるの?について、
一部、書いてみました。
写真は楽しそうに
「ここのフレーズはもうちょっと、こう・・・・」
って言っていそうな?
ピアニスト、マルタ・アルゲリッチです。