アレクサンダーテクニックだけで音色がすぐに柔らかくなるの?

 

私が日本に帰ってきてからのレッスンで、

生徒さんたちのピアノを聞いて

頻繁に、

絶対もっと良くなる!と思ったことは、

ものすごく硬い音をだしている人が多いなーということでした。

 

硬い音がならぶとどうなる?

 

硬い音が続いている=変化がなく、ガツンガツンと叩くような音が続いている状態です。

 

もちろん、硬い音がほしい部分を持つ曲もあります。

でも全部が硬かったら、、、、どうですか・・・

かたい岩のようなものでガリガリと引っ掻いているような、

叩いているような・・・

そんなイメージのある音になりかねません、、、、

 

そのような状態でもう何年もチェルニー40番を弾き続けてしかもチェルニーがあんまり好きではない。。(はっきり嫌いと言っても良いのよ笑)

苦痛でしかない、そんな状態でピアノを弾いている人が多いと感じました。

それにはもちろん基本から健やかに演奏できていることも必要です。

 

 

でも、、

音が硬いから柔らかくしてと先生に言われ、

がんばって弾いているし出しているつもりなのに!!

 

なんてこと、ありませんか?

 

私はアリアリでした!笑

硬い音に限らず、

明るい音、とか

悲しい音、とかもです。

 

先生に、

「いや、そこはもっと柔らかい音にしてごらんなさい。」

 

でも、どうやって??笑

 

そこがわからないままのことが多かった。

 

イメージを頭の中で思い描いて、弾いてみると、

なんとか 「うん変わった」というときもあったけれど、

具体的に、何をどうしたら・・・?

うーん、と唸ってなんとかなっていた感じです。

 

イメージというものは頭の中の想像です。

物語があり、人がいて、どんな性格の人なのか、

滑稽な面白いキャラなのか、悲しんでいるキャラなのか・・・

そのような、出したい表現があって、それから、音に現れるのですが・・・それを思い描いけど思い描けど、

表現しているつもりで、表現ができていないのはどうしてだろう?

 

 

身体という道具の使い方を知るアレクサンダーテクニック

 

イメージの力でなんとか、表現をしようとしていましたが

それだけではなく、

体や自身の使い方についてもっと知る

ということがとても大切だということを

ある講習会に参加してきづきました。

それがアレクサンダーテクニックでした。

 

話はちょっとそれますが、私はオクターブを引きすぎて

親指の付け根を痛めるということがありました。

その時に、単に手が小さいからという問題で片付けることもできましたが、

自分の身体の使い方にも問題があるのかもしれない、

と、興味を持ったのがアレクサンダーテクニックでした。

そして、このアレクサンダーテクニックの発案者のアレクサンダーの

孫弟子、ドン・ウィード Don Weed という先生の

開く講習会で直接アレクサンダーテクニックを体験することができました。

この写真右側の方がドンです↓

アレクサンダーテクニックは、

「百聞は一見に如かず」という言葉がぴったりなボディーワークだと思いました。

単なる本の中の知識だけでは伝わりきらない、

人の手を通しての、身体の感覚に神経を研ぎ澄ます、

とでもいうのでしょうか。

 

瞑想やヨガに繋がるものもありますが、

自分自身の体の動きがどうなっているのか知りながら、

自分の頭の中の状態にも向き合い、

気づくような。

それがこのテクニックだと思います。

 

 

最初はよぉわからんあやしいと思っていたAT

 

でも、この時は、イギリス人の先生で英語だったので、ついていくのが大変で笑・・
その上、実はこの講習会では初めてのアレクサンダーテクニックに触れたのですが、

まわりの参加者をみると、かなり長いことこのテクについて学んできている人たちばかりが集う講習会で、

初めてのことばかりで、習得しようと必死になってしまい、
この短期間では正直良さはあまりわからなかったのです。笑

 

 

その後もこの講習会の伝手でシュトゥットガルトの先生を探し、
ピアノを弾きながらのアレクサンダーテクのレッスンを数回受けていました。

 

 

 

どんなことをするのか?

 

具体的にはどんなことをするボディーワークなの?

何も説明を受けないで、レッスン風景を見ると、正直、

とても怪しい光景だと思います・・・。

 

両耳の付け根、すなわち、頭の付け根に、先生が手を当てます。

先生が「どんなふうに感じますか?」と質問し、

生徒は、自分自身の体を内側から感じて問いかけるんです。

そして首や肩、背中などいろいろなところに手を充ててみていきます。

首を微動させたり、いろいろな方向に動かします。

なぜこんなことをするのか?

それには、ちゃんとしたワケがあります・・!

アレクサンダーという人が、もともと俳優で声がでなくなったことを、改善したくて鏡に向かっている時に頭の付け根のあたりをさわって、自分自身から緩めるということを意識したり、試行錯誤していたら、声が出るようになったからです。

その発見で、頭の付け根が背骨にもつながり、身体全体の状態を左右うするということまでもその後の研究で分かったということです。

他の人にもそれは有効で、世界中にそのテクニックは広まり、

今やアメリカの音楽大学でも必ずレッスンがあるようです。
なんと・・・

あのヒュー・ジャックマンも、アレクサンダーテクニックを学んで俳優業に生かしているようです。

演奏すること、演技をすること、声に出して言ったり、歌ったり、

演奏家と俳優業と表現する上で

身体の使い方は通ずるところがあるということですね。

 

 

急にふっと分かった瞬間がキタ

 

さて、私の話に戻りますが、英語でよくワカラナカッタ部分を

日本語の書やドイツ語の書で読んだり自分で首に手を充ててみたり・・・

試行錯誤していたら
演奏中にふっとコントロールが効くって場面が増えたと思います。

 

もともと、これができちゃう人は良いんですけど、

 

人前やレッスンに来て弾くといつもどおりいかない、
思った通りの音が出せない、
がんばっているのになんだか演奏がうまくいかない、

 

そんな人はこのテクニックの考え方を知るだけでも良いと思います。

 

知るだけでもピアノに活かせる

 

この前も少しこのアレクサンダーテクニックを実践してみて
意識しただけで、
身体の動いてなかった部分が動き、
音色が全く違うものに(なんというか、響に広がりがある音に変化)
なった生徒さんがいらっしゃいました。

 

考え方を知っただけでコントロールして使いこなす
その生徒さんに拍手です・・!

 

身体がラクになって良い音が出て、弾きやすそうに音楽も自由自在に操る・・・
聴いている方も気持ちのいいものです♪

 

「心地よく音を出して楽しめる人を増やす」

 

これも私の目標です〜。

やっぱり学びの先には楽しい、ハッピーと感じることが一番大事なこと。

 

自分の身体がラクになって演奏できている、
それはイコール音楽を通してまわりにも心地良い影響を与えているということですね。

思えば、これは音楽に限らず、言えることではないでしょうか。

身体もラクに・楽しく弾けているという自分自身、
みている人も楽しくなる、

状態が最高でない時だってありますが、
その中でもベストな状態に持っていける、

レッスンでは、それぞれみんな違う動きの癖があるので、
コツを一緒に見つけていきたいと思います。